Elephant in the room

きっかけは何であったが忘れたが、最近elephant in the roomという表現を知った。「周囲は気が付いているのに、あえて避けている話題」を指しているそうだ。この「象」の使い方は、ある意味コミュニケーション術の一つだと感じる。みんな理解しているにも関わらず、当事者や周囲の状況からあえて口に出さない配慮(時には戦略)。調べたところ、Google Book Ngram Viewerによれば、2000年ごろから、急激にこの”elephant in the room”という表現が多く使われるようになっているとのことだ。例えば避難民やLGBTのようなマイノリティと呼ばれる人たちについての対応の影響かもしれない。思えば日常的にもよくありがちなシチュエーションではある。最近学級や授業で、部屋にいる象を見て大はしゃぎしてしまう生徒が増えているような気もする。少し前の言葉で言うKY(空気を読めない)と通じるところがあろうか。また日本人は、「場を読みすぎる」ことによるコミュニケーション下手という批判もある。今後ますます多様性社会に身を置くと、このような状況に陥ることが多くなることが予想される。周囲の状況に配慮しつつも、きちんと敬意を払うようなコミュニケーション能力を身に付ける必要がある。同一民族同一言語で生活を続けた日本が、世界の人々と協働的課題に多く取り組むようになると、多くの確執が生じるのは当然である。幼いころから集団で生活し、失敗を含めた多くの経験をすることにより、部屋にいる象を見かけたときに、どう対処するかを学ばせることも肝要だと感じた。

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